スターティングハンドレンジ
GTO Wizardにおける特定の設定でのプリフロップの各アクションのハンドレンジを簡略化したものです。混合戦略となるハンドはレンジを上位方向に丸めたり、一定の範囲内で同じ割合に分布するハンド群は扱いやすい分数に丸めています。
このハンドレンジのために用いたGTOWizardでの設定
- 6-max NL 500
- 100BB
- General 2.5x / GTO 3BET
ポジション | アクション (参加率) | ハンドレンジ |
---|---|---|
UTG | 2BET (≦17%) | 77o+, (22o+) A3s+, AKo, K7s+, KJo+, Q9s+, QJo+, J9s+, T9s, (87s, 76s, 65s, 54s) |
HJ | 2BET (≦21%) | 66o+, (22o+) A2s+, ATo+, K6s+, KTo+, Q8s+, QTo+, J9s+, T9s+, (T8s), 98s, (87s, 76s, 65s, 54s) |
3BET vs UTG (≦8%) | 99o+, ATs+, (A5s-A4s), AQs+, KTs+, (KQo), QJs | |
CO | 2BET (≦28%) | 44o+, (33-22), A2s+, A8o+, K4s+, KTo+, Q6s+, QTo+, J7s+, JTo+, T8s+, 97s+, 87s, (76s, 65s, 54s) |
3BET vs UTG (≦9%) | 99o+, ATs+, A5s-A4s, AQo+, KTs+, (KQs), QJs, (87s, 76s, 54s), (65s) | |
BTN | 2BET (≦44%) | 22o+, A2s+ A4o+, K2s+, K8o+, Q2s+, Q9o+, J4s+, J9o+, T6s+, T8o+, 96s+, 98o, 85s+, 75s+, 64s+, 54s |
3BET vs UTG (≦7%) | JJo+, ATs+, A5s-A4s, AKo, KJs+, KQo, QJs, (JTs, T9s, 65s) | |
Call vs UTG (≦6%) | 55o+, A8s+, AQo, KTs, QTs, (98s, 87s, 76s, 54s) | |
SB | 2BET (≦34%) | ATs+, (A9s-A2s+), A5o+, (A4o-A3o) KTs+, (K9s-K2s), (KQo-K9o), (K8o-K7o), QTs+, (Q9s-Q2s), (QJo-Q9o), JTs (J9s-J3s), (JTo-J9o), (T4s+), (T8o+), 97s-96s, (98s, 95s), (98o), (85s+), (74s+), (64s+), (53s+) |
Limp (≦18%) | (A9s-A2s+), (A4o-A3o), (K9s-K2s), (KQo-K9o), (K8o-K7o), (Q9s-Q2s), (QJo-Q9o), (J9s-J3s), J2s, (JTo-J9o), (T4s+), (T8o+), (98s, 95s), (98o), (85s+), (74s+), (64s+), (53s+) | |
3BET vs UTG (≦6%) | QQs+, (99s+), AQs+, (AJs-JTs, A5s-A4s), AKo+, (AQo+), KQs+, (KJs-KTs), QJs, (65s+) | |
3BET vs BTN (≦14%) | 77o+, A7s+, A5s-A4s, ATo+, K9s+, KQo, (KJo-KTo), Q9s+, J9s+, T9s, (T8s) | |
BB | 3BET vs UTG (≦6%) | QQo+, AQs+, (AJs, A6s-A3s), (AKo), (KQs-KJs), (K9s-K4s), (KQo), (QJs), (QTs-Q8s), (JTs, T9s, 87s, 76s, 65s, 54s) |
Call vs UTG (≦20%) | JJ-22 (AJs, A6s-A3s), ATs-A7s, A2s, ATo+, (KQs-KJs), KTs-K4s, (KJo), (QJs), (QTs-Q8s), (JTs), J9s-J8s, (T9s), T8s-T7s, 98s-96s, (87s, 85s), 86s, (76s), 75s, (65s) 64s, (54s), 53s, 43s (52s, 42s) | |
2BET vs SB (≦38%) | 77o+, (66-55), A8s+, A5s-A3s, AJo+, (ATo-A9o, A3o-A2o), KQs-K9s, (K6s), KQo, (A7o-K2o), QTs+, (Q9o-Q2o), J9s+, (J9-J6o), (J5o-J2o), T9s, (T6s-T3s), 98s-92s, 87s-84s, 82s, 76s, 74s-73s, (65s), (63s-62s), 54s, (32s) | |
3BET vs SB (≦16%) | TTo+, (99-88), AJs+, A5s-A4s, AQo+, A2o, KQs, (KJs-K9s, K6s), (QJs-Q9s), (J9s+), T9s, (T8s, T4s-T2s), 98s, 87s, 76s, (65s, 54s) | |
Call vs SB (≦41%) | 77o+, (66o-55o), A8s+, A5s-A3s, AJo+, (ATo-A9o, A3o-A2o), KQs-K9s, (K6s), KQo, (A7o-K2o), QTs+, (Q9o-Q2o), J9s+, (J9-J6o), (J5o-J2o), T9s, (T6s-T3s), 98s-92s, 87s-84s, 82s, 76s, 74s-73s, (65s), (63s-62s), 54s, (32s) |
注目すべき点
- ポジションごとの参加率は、そのポジションで自分を含めた最大有効プレイヤー人数を とした時の とおおよそ一致します。ただし、インポジションであればあるほど参加率はそこから徐々に上昇していきます。
- 最も参加率の高くなるポジションは BTN と BB で、BTN は実に 44%のハンドレンジでオープンします。BB は UTG のオープンにも計 26%の割合でコール以上、SB のオープンには計 54%の割合でコール以上のアクションを取ります。
- 広く知られているとおり、キッカーが消えやすくストレートも作れない A7s A7o と A6s A6o は低く評価されており、オープン時、コール時ともに参加頻度が低く設定されています。
- レイズとコールをミックスしたレンジでは、たとえば「AKs-A8s で常にレイズして A7s-A2s で常にコールする」といったアクションからレンジが特定しやすい構成にはしません。代わりに「AKs-A2s すべてにおいて一定割合でレイズ、一定割合でコール」という混ぜ方をします。強いハンドはレイズの比重が大きく弱いハンドはレイズの比重が小さいといった形に段階的に変化させていくものの、これによってハンドレンジが絞り込まれないように対策・軽減しています。
- SB は低頻度の AAo や KKo を含めたハンドレンジでリンプします。これにより SB のリンプレンジのレンジキャップが軽減され、BB のレイズにへ対抗できるようになることで(AAo や KKo はこれに対して必ず 3BET する)SB のリンプレンジの EV が支えられます。また、このアクションがとくに SB でのみ見られる理由はヘッズアップになることが確定しているからです。
3BET 以上のアクションにどう対抗するか
3BET 以上のアクションに対してレイズを返す時のハンドレンジは非常に狭くなります。自分と相手がそれぞれアーリーポジションにいるかレイトポジションにいるかなどのポジションによる差異もあまり関係がみられません。必ず直前のレイズの頻度の 以下のハンドレンジでレイズすることになります。
ラストアグレッサーではないレイズプレイヤー(UTG が 2BET、BTN が 3BET した時の UTG など)はヘッズアップになることが確定した時点からコールの選択肢が生まれます。それまでは均衡戦略はレイズ/フォールドです。
コールの選択肢が生まれた場合、そのハンドレンジはラストアグレッサーのハンドレンジよりやや広くなります。ポストフロップでポラライズドレンジになる可能性のある A5s や 87s などのドロー寄りのハンドの比重が大きくなるよう構成されています。逆に、ラストアグレッサーにドミネートされているコンデンスドレンジのハンド AJo などは除かれる傾向にあります。
これらはいずれも上記設定のGTO Wizardのハンドレンジを参考にしています。均衡戦略は複数存在するものなので、必ずしもここであげている戦略のみが有効だというわけではありません。
9-max になるとどう変化するか
10-max や 8-max、7-max にも対応できるように、6-max との比較して考察して考え方を掴んでみます。
- 「自分の後ろに何人のプレイヤーが控えているか」というベースでハンドレンジがスライドするのではなく、ほぼ全てのポジションで参加率が少しずつ低下するようにハンドレンジが変化します。
- アーリーポジションでは、6-max に比べて 9-max はオフスートやスーテッドコネクターがハンドレンジから除かれ、頻度で 2BET していたローポケットペアの頻度が大きく低下する形で参加率を調整します。
- その次に除かれるのはローキッカーの A や K です。最低 EQ のものはハンドそのものが除かれながら(例: HJ 相当のポジションでの A2o は 100%フォールドに変わる)、中-低程度の強さのものはまばらに参加率が低下します(例: HJ 相当のポジションでの K8s-K5s はどれも変わらず 2BET するものの、頻度が下がる)。
- レイトポジションになるほどハンドレンジの変化は小さく、BTN や SB、BB のハンドレンジはほとんど変化しません。
- しかし、アーリーポジションのハンドレンジが比較的強くなることで、コール割合や 3BET 頻度は低下する形で変化します。
Effective 200BB になるとどう変化するか
TBD
GTO WizardのPremium Planで解放されるので、課金することがあれば分析します。
6BB 2BET になるとどう変化するか
TBD
GTO Wizardでは対応しておらず、PIOSolverなどのツールが必要になるのでいずれ分析します。